シリーズ黒岩探訪

2018年1月の記事一覧

雪 シリーズ黒岩探訪22 黒岩小周辺の気候の特色(冬の気温編2)

シリーズ黒岩探訪22 黒岩小周辺の気候の特色(冬の気温編2) → 22huyunokionnhen2.pdf 

 黒岩小周辺は、風がなくよく晴れた冬の朝、周辺域より気温が下がることが特色です。1月24日現在一番気温が下がったのは1月13日(土)の-8.7℃です。次は1月15日(月)の-8.1℃です。いずれも自記温度計の数値です。記録の精度に疑問があるかもしれませんが15日に-8.1℃を記録した時に棒温度計はー8.7℃、デジタル温度計はー7.9℃の表記を確認していますのでほぼ正確かと思います。

【その後1月25日(木)に更新。ー9.3℃を記録しました。】

 何度か黒岩小周辺の朝の気温を測って次のようなモデル図を作成しました。

気温状況のモデル図(AはBより一度低く、BはCより一度低い)】

 AやBの地域が周辺よりなぜ低気温になるかというと、「放射冷却現象」が顕著に表れるためと考えられます。

 「放射冷却現象」とは地表面の熱が夜間放出され気温が下がることです。これは、どこでも起きていることですが、周辺を丘陵や山に囲まれる盆地形状地のところでは、空気の移動がなく冷気がたまり、「底冷え」することになります。実際には盆地ではありませんが、図中の・・・・線の二箇所は丘陵地が狭まっているため、その上流側に冷気がたまりやすくなっていると思われます。盆地形状の所では、冷気がたまる下層ほど低温になります。これを模式的に示すと図のようになります。

  また、放出された熱がやや上空で周辺より温度の高い層(逆転層)を形成するため、立ち昇った煙がそれ以上上昇できず、風もないのに横にたなびく現象が見られます。これは8時前後に解消されるとともに日中の気温差はなくなります。

  今冬は久しぶりに寒気が強い冬になっているようです。小学校で記録している記録から気温図を作成しました。

拡大するには右のファイルをクリック → kionngurahu1gatu18~31.pdf

 

たなびく煙(1月15日)

学校裏の星川(1月15日)

凍った学校のひょうたん池(1月15日)

【ふるさと学習プログラムとの関連】

5年(理科、天気と情報)

1年(生活科、ふゆをたのしもう)

 

ひらめき シリーズ黒岩探訪 番外編『高林城で確認した遺物「かわらけ」について』

 「かわらけ」とは聞き慣れない言葉と思います。現代でもまれに使われていることもあるかもしれませんが、ここでは主に中世に使用された素焼きの土器皿の意味で使用します。

 さて、黒岩探訪第2号「黒岩小だより平成29年4月25日号」で紹介した遺物のかわらけを実測し、観察表を作成しました。考古学分野の内容になっています。興味をもてましたらご覧ください。

実測図(図のみ)

実測図(写真つき)

 

観察表等の記録 → kawarake.docx

 総合的に判断して、このかわらけは16世紀のものと考えられます。発掘調査に基づく遺物ではないため、直接高林城との関連を説明できる遺物ではありませんが、高林城の時代を考える時重要な遺物といえます。

晴れのち曇り シリーズ黒岩探訪21 黒岩小周辺の気候の特色(冬の気温編1)

シリーズ黒岩探訪21 黒岩小周辺の気候の特色(冬の気温編1) → 21huyunokionnhen1.pdf

 黒岩小学校周辺は、朝の気温が一ノ宮バイパス付近と比較して3~4度くらい、富岡地区と比較して2度くらい下がることがあります。

 ー5℃より低くなると学校裏の星川の表面が全面的に凍ります。写真は12月18日の朝です。この朝は学校の百葉箱の自記温度計の記録では、ー7℃まで下がりました。

 次の写真は12月14日の朝のものです。学校の南側土手の湧水地で流れ出た水が凍った様子です。この日はー5℃近くまで下がりました。

 黒岩小周辺の気温の特徴についてまとめてみました。詳しくは上のPDFファイルをご覧ください。

一 朝の気温がとても低い。

二 昼の気温が高い。

三 一日の気温較差がとても大きい。

四 15~19時にかけて一気に気温が下がる。

五 21時から夜明けにかけて継続的に下がる。

 「五」は放射冷却現象によるものですが、黒岩小周辺はこの現象が顕著に現れるようです。一般にこの現象は次のような時に、より強く現れます。

①よく晴れた夜(星空ということ)

②風がない夜

③山地よりも低地の平野部

④盆地状の地域

 黒岩小周辺はこの④の地形の影響が大きく関係していると思われます。

 また、この現象が現れた朝「煙がたなびいている様子」(写真)を観察することができます。

 

 次のグラフは小学校で初氷を観察した11月20日から1週間の気温グラフです。青の太線が小学校の気温記録、緑線が下仁田町西野牧のアメダスの気温記録、点付きの黒細線が前橋のアメダスの気温記録です。

 前橋が氷点下を記録するかなり前から学校では氷点下の朝を迎えていることがわかります。

 また、県央部の前橋市や山間地の下仁田西野牧に比較して1日の中での気温較差が大きいことが特徴といえます。

 この図を拡大するには次のPDFファイルをクリックしてください。

 → kionngurahu.pdf

【ふるさと学習プログラムとの関連】

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